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不知夜月とJardin de ciel(空の庭)のコラボ頁です。

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† 闇に咲く悦楽の閨 第3章 2幕 †

出て行ったまま帰ってこないニコル。心配したアレクはフレイに想いを打ち明けた。フレイはアレクの気持ちを伝える為ニコルを探しに出かける。そこで会ったジョフロアがその想いを引き継いで…。

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Drama

アレク
  • by s
  • 2009-03-13 01:58
  • edit
ニコルが帰って来ないんだ部屋に。もう3日も...どうしようフレイ。
ナレーター
  • by s
  • 2009-03-13 01:58
  • edit
先日、影虎から受けた胸の手当に毎日心配で部屋を訪れてくれるフレイに ふとアレクがそう漏らした。胸の傷は殆ど治りかけていたが、逆に大きな目は溢れそうな程 大粒の涙を溜めている。
アレク
  • by s
  • 2009-03-13 01:59
  • edit
君から貰ったこのチョコだって、こんなに美味しいのに...ニコル一粒も食べてない...大の好物なのにさ。いつもなら僕にだって分けてくれないんだよニコル。
ナレーター
  • by s
  • 2009-03-13 01:59
  • edit
いつもより雄弁なアレク。溜めた涙を拭こうともせず、更にチョコを頬張る。
フレイ
  • by t
  • 2009-03-13 02:00
  • edit
3日も?
ナレーター
  • by t
  • 2009-03-13 02:01
  • edit
そういえば訪れるたびにニコルの不在が不思議だった。確かにここしばらくニコルの姿を見ていない。フレイは椅子から立ち上がり、ベッドに腰掛けたアレクの隣に腰を降ろした。
フレイ
  • by t
  • 2009-03-13 02:03
  • edit
そうか…。それは、寂しかったね、アレク…
ナレーター
  • by t
  • 2009-03-13 02:03
  • edit
いつも両翼のように一緒にいる二人だ。原因がなんであれ、アレクの嘆きの深さが伝わった。フレイは軽くアレクの頭を抱き寄せてゆっくりと柔らかな銀の髪を撫でた。
アレク
  • by s
  • 2009-03-13 02:04
  • edit
僕、ダメなんだ。つい嫌なこと言っちゃう。なんでだろ...
ナレーター
  • by s
  • 2009-03-13 02:04
  • edit
涙で潤んだ大きな瞳が優しい手の先のフレイの顔をまっすぐ見つめる。
フレイ
  • by t
  • 2009-03-13 02:05
  • edit
…分かるよ…
ナレーター
  • by t
  • 2009-03-13 02:05
  • edit
ふわり、と暖かな柔らかい光を放つような笑顔を浮かべたフレイがほんの少し寂しそうに囁いた。
アレク
  • by s
  • 2009-03-13 02:06
  • edit
そお?
フレイ
  • by t
  • 2009-03-13 02:06
  • edit
好きだから、つい言っちゃうのさ。意地悪を
アレク
  • by s
  • 2009-03-13 02:07
  • edit
ありがとう。優しいねフレイ
ナレーター
  • by t
  • 2009-03-13 02:07
  • edit
指先で、零れ落ちそうなアレクの涙をそっと払うとフレイはウインクを返した。
フレイ
  • by t
  • 2009-03-13 02:08
  • edit
それが取り柄でね。さあ、彼は私が探してこよう。心当たりの場所は? それと、伝言の言葉とキスを私に
ナレーター
  • by t
  • 2009-03-13 02:08
  • edit
フレイは二人の仲たがいの理由はきかなかった。アレクを和ませるように再び何度か髪を撫で、銀紙に包まれた丸いチョコレートをいくつか制服のポケットに投げ込んだ。
アレク
  • by s
  • 2009-03-13 02:09
  • edit
多分、見つからないよ。でももし見つけたら「愛してる」って。
ナレーター
  • by s
  • 2009-03-13 02:10
  • edit
そう言うとフレイの整った口元に軽くキスをする。芳醇なチョコの香りと、アレクの特異な体臭であるムスクの薫りがフレイの口元をまろやかに包む。
フレイ
  • by t
  • 2009-03-13 02:10
  • edit
同じ言葉が聞けるといいね。とりあえず、探してみるよ
アレク
  • by s
  • 2009-03-13 02:11
  • edit
うん。
ナレーター
  • by t
  • 2009-03-13 02:11
  • edit
そう言ってフレイは立ち上がった。もしかしたらニコルの居るのは人には行けないところなのかもしれない。アレクのセリフにそんな意味を感じながらもフレイは小さく笑んだ。
フレイ
  • by t
  • 2009-03-13 02:12
  • edit
さあ、花びらの開くような愛らしいいつもの笑顔で見送っておくれ
ナレーター
  • by t
  • 2009-03-13 02:12
  • edit
長身をかがませてアレクの額に親愛のキスを落とす。
アレク
  • by s
  • 2009-03-13 02:12
  • edit
いってらっしゃい
ナレーター
  • by t&s
  • 2009-03-13 02:13
  • edit
気をつけて、と薔薇の蕾の様なピンク色の頬を綻ばせアレクはフレイを見送った。フレイはその後、人気のない部屋や屋上、そして校庭の隅などを歩いてみたが、なかなか二コルの姿は見つからなかった。
フレイ
  • by t
  • 2009-03-13 02:15
  • edit
やれやれ…どこへ行っちゃったのかな…ニコルは…
ナレーター
  • by t
  • 2009-03-13 02:16
  • edit
学園はうんざりするほど広い。所詮一人で見つけようというのが無理なのかもしれない。いささか疲れてきたフレイは大きな街路樹の下に腰を降ろした。もう陽が西に傾き空がほんのりと紅色だ。少し寂しげなその色が、アレクの涙の浮かんだ赤い目を思い出させて彼のため息を誘った。太い木の幹に隠れるようにしていた彼の頭上から静かな声がかかったのはその時だった。
  • by z
  • 2009-03-13 02:17
  • edit
うらめしや~~
効果音
  • by z
  • 2009-03-13 02:17
  • edit
ブラ~~ン
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-13 02:18
  • edit
突然フレイの目の前に垂れ下った長い黒髪。見上げれば、木の枝から逆さ吊りの男。フレイが蒼白な顔で後ずさると、空中のしなやかな身体が見事にスイングして、ふわりと空中を舞った。着地の足音がしたかどうか。すらりと立ちあがったジョフロアが、腰を抜かしたままのフレイに手を差し伸べた。
ジョフロア
  • by z
  • 2009-03-13 02:18
  • edit
ちょうど上で本を読んでいたら貴方が。すみません、驚きました? なんか貴方らしくなく、元気がないから…
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-13 02:20
  • edit
見れば片手に本と漫画。耳にはiPod。上品な所作なのに何処か現代っ子っぽい。
フレイ
  • by t
  • 2009-03-13 02:21
  • edit
ジョフロア~~!!
ナレーター
  • by t
  • 2009-03-13 02:21
  • edit
蒼白だった顔が今度は赤くなる。実は彼は怪談に弱い。照れ隠しに一声怒鳴ってフレイは跳ね起きた。
フレイ
  • by t
  • 2009-03-13 02:22
  • edit
うらめしや~だなんて玄人すぎる。もっと現代っぽく…じゃなくて! 驚かさないでくれないか! まったくもう~。
ジョフロア
  • by z
  • 2009-03-13 02:23
  • edit
僕らの国じゃ、お化けは BOO!って言って出てくるのが相場だけど、日本語じゃ間が抜けてるから…。うらめしや~のほうが、それっぽいでしょう?
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-13 02:23
  • edit
ジョフロアは悪戯っぽく笑って、フレイを眩しげに見つめた。彼がフレイを見つめる視線はいつもそうなる。親友のエドリックと共にフレイを絵画の天使に似ていると形容した事もあった。だが、エドリックの甲冑に頂く反射光のような印象と違い、フレイは存在そのものが陽だまりのようだ。普段辛辣な景虎が自分に向ける温かさと似ていなくもない。ただ、フレイの光は人をあまねく照らす。その意図や意志と関係などなく。だからそれが眩しくて、ジョフロアは彼を伏し目がちに斜めに見上げる。
ジョフロア
  • by z
  • 2009-03-13 02:24
  • edit
…元気…出たみたいですね?
ナレーター
  • by t
  • 2009-03-13 02:24
  • edit
最初は憤慨したようにジョフロアに詰め寄ったフレイだったが、ふと思いついて声を落とした。
フレイ
  • by t
  • 2009-03-13 02:25
  • edit
そうだ、ジョフロア。…ニコルを見なかったかい?
ナレーター
  • by t
  • 2009-03-13 02:25
  • edit
確かエドリックがニコルにご執心らしいことを彼は思い出した。エドリックと一緒にいることの多いジョフロアなら何か知っているかもしれないと直感したのだ。
ジョフロア
  • by z
  • 2009-03-13 02:25
  • edit
さあ。彼に用事でも?
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-13 02:26
  • edit
ジョフロアは、ニコルの匂いが寮内のある扉付近で消えてしまっている事を知っていた。彼が姿を消してから三日経つ事も。けれどジョフロアが人狼である事を知らないフレイに、それを言えない。出来るのは安心させる事。そして元気づける事。何故なら、その後ニコルの匂いをジョフロアは感じ取っていない。ならば、まだ其処に居るはずだった。
フレイ
  • by t
  • 2009-03-13 02:26
  • edit
ああ…アレクから彼に頼まれごとをしちゃってね。知っているのかい?
ナレーター
  • by t
  • 2009-03-13 02:27
  • edit
逆に聞き返したジョフロアの口調を捉えるように、フレイは彼の表情を覗き込んだ。
ジョフロア
  • by z
  • 2009-03-13 02:27
  • edit
知りません。でも、あんなに仲のいいアレクも知らないなんて…
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-13 02:28
  • edit
仲間のアレクなら知っていると思っていたジョフロアにとって、フレイの言葉は意外だった。ならば単に地下に潜っただけではないのかもしれない。何かを探るように、まだ自分を覗き込んでいるフレイの薄茶の瞳。それに少しはにかみながら、ジョフロアは続けた。
ジョフロア
  • by z
  • 2009-03-13 02:28
  • edit
貴方もニコルもエディの極上ワインリストの筆頭だから、親友の僕も一肌脱がないといけないかな。探してみますよ。役に立つか分からないけど
フレイ
  • by t
  • 2009-03-13 02:28
  • edit
ありがとうジョフロア。エドはいいな、君のような友人を持って。…じゃ、これを半分
ナレーター
  • by t
  • 2009-03-13 02:29
  • edit
ほんの少し首を傾げてフレイが微笑むと光の砂が撒かれるようにふわりと暖かく空気が染まる。ジョフロアの手の上に落とされたいくつかの銀色のチョコレート
フレイ
  • by t
  • 2009-03-13 02:29
  • edit
それと…ジョフロア
ナレーター
  • by t
  • 2009-03-13 02:29
  • edit
上質な包み紙のチョコレートを見つめていたジョフロアは名を呼ばれふと顔を上げた。その瞬間、金の流れが視界を掠り、柔らかく暖かな感触が唇に広がる。フレイは小さくジョフロアにくちづけ囁いた。
フレイ
  • by t
  • 2009-03-13 02:30
  • edit
「愛してる」
ナレーター
  • by t
  • 2009-03-13 02:30
  • edit
目を瞬いたジョフロアに、フレイは思わず噴き出した。
フレイ
  • by t
  • 2009-03-13 02:31
  • edit
伝言。…驚かされたお返しだよ。でも、役得かな? あっはは
ジョフロア
  • by z
  • 2009-03-13 02:31
  • edit
…ああ、これですか…?
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-13 02:31
  • edit
困惑していた顔が笑顔に戻り、ジョフロアは両肩のあたりで両手の二本指を曲げたり伸ばしたりさせた。指で作ったクォーテーションマーク。自分の言葉ではない。誰か別人が言った言葉。そんな意味を現す動作だ。
ジョフロア
  • by z
  • 2009-03-13 02:32
  • edit
アレクからニコルに? …でも、実際に動作は入れなくていいんですよね?
フレイ
  • by t
  • 2009-03-13 02:32
  • edit
アレクの気持ちが伝われば、それでいいんだよ
ジョフロア
  • by z
  • 2009-03-13 07:05
  • edit
了解。では、愛をこめて探します
ナレーター
  • by
  • 2009-03-13 07:05
  • edit
二人の関係がどうであれ仲たがいの原因がどうであれ。ニコルがどう受け止めるかはまた別の問題で、他人には入っていけない。フレイは軽い笑顔で頷いた。
フレイ
  • by
  • 2009-03-13 07:06
  • edit
じゃあね、ジョフロア。私はもう少し探してみるから
ナレーター
  • by
  • 2009-03-13 07:06
  • edit
いくつも並ぶ棟のひとつを目指して歩き始めたフレイが彼に手を振って離れていった。
ジョフロア
  • by
  • 2009-03-13 07:07
  • edit
暗くなる前に寮に帰ったほうがいいですよ。今日は本当に出そうだから
ナレーター
  • by
  • 2009-03-13 07:08
  • edit
もののけの類が。人狼であるジョフロア自身がその一種である。ジョフロアは遠目からフレイに見えるように軽く会釈して、その反対の学園の深層部に向かう。
ニコルの痕跡が消えた扉の向こう。位置から言えば、地下洞窟のあたりだ。だがジョフロアがその扉を開ける事は叶わなかった。ヴァンパイアの不思議な力で封印されている事を物語る紫色の結界がその扉を覆っていたからだ。

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