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不知夜月とJardin de ciel(空の庭)のコラボ頁です。

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† 闇に咲く悦楽の閨 第2章 3幕 †

生徒会の仕事のせいでニコルに暫く会えなかったエドリック。何も事情を知らない彼は、ニコルの元に向かった。幻のような秘密の閨で、エドリックとニコルは初めてお互いの想いを重ねる。(濡れ場あり)

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Drama

ナレーター
  • by z
  • 2009-03-01 18:03
  • edit
夕闇が迫る頃、エドリックは目当ての人影を求めて談話室に向かった。いつもなら暖炉に一番近い窓辺で、爆ぜる火や窓から見える遠い森に目を投じているその人の姿がない。陽に弱く、透けるような肌を持つ彼らが、生気を帯びてくるのは日が落ちてからだった。当然いるものと思い込んでいたエドリックは舌打ちした。そういえば、生徒会の仕事が忙しくてニコルと暫く会っていなかった。自分と会わない間に、もしかしたらニコルは誰かの精気を…。そう思った途端、彼は唇を噛んだ。苛立つように踵を返すと、螺旋階段を一気に駆け上がって行く。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-01 18:06
  • edit
ニコル! 私だ
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-01 18:06
  • edit
急く気持ちを表すような、早めに数回叩かれた甲高いノックの音。アレクとの二人部屋だという事も構わずに、エドリックの通る声が外から呼ばわった。
ニコル
  • by s
  • 2009-03-01 20:55
  • edit
今 開けます。
ナレーター
  • by s
  • 2009-03-01 20:56
  • edit
ゆっくりとドアが開かれた先には いつもよりも透いて見える様なニコルがすぅと立っている。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-01 21:00
  • edit
…ニコル。どうした…
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-01 21:00
  • edit
そう言うが早いか、相手の血の気の無さを悟ったエドリックはニコルを抱き締めて後ろ手にドア閉めた。抱き締めたというより、抱き留めたに近い。ニコルは立っているのがやっとの状態だった。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-01 21:01
  • edit
…失礼。許可なく入室してしまって。だけど、君…なんだか身体が冷たいな
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-01 21:01
  • edit
ニコルの力ない身体を抱きかかえて、翠の瞳を覗き込む。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-01 21:03
  • edit
いいから飲め。…早く
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-01 21:03
  • edit
事情を察したエドリックに対して、ニコルはためらいがちな目を向けた。金髪の騎士はそれに、にこやかな笑顔を返すと、素早くシャツの襟元を広げて首筋を差し出した。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-01 21:04
  • edit
…遠慮は無用だ。直接口をつけていい。愛の証しだ、ニコル
ニコル
  • by s
  • 2009-03-01 21:41
  • edit
では...
ナレーター
  • by s
  • 2009-03-01 21:47
  • edit
普段は見えない小さな牙歯が キュっとエドリックの首筋に立ち一筋の血が流れる。吸い上げられるエナジーがニコルの身体をまるで生きた小さな龍の様に駆け巡った。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-01 22:05
  • edit
……ニコ…ル…
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-01 22:06
  • edit
理性を奪い取られ、悦楽に落とし込まれるような快感にエドリックは呻いた。それまで力強くニコルを支えていた身体が崩おれて跪く。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-01 22:06
  • edit
…この所為で君の虜になったんじゃない。…決して、そうじゃない。…君が魅力的だからだ
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-01 22:07
  • edit
強気なエドリックには言い訳が必要な程、それは魅惑的な体験だった。まるで麻薬に溺れた如く次を欲っしてしまう気持ちを断ち切るように、彼は深く息をついた。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-01 22:08
  • edit
…よかった。君の頬に少し血の気が戻ったな
ナレーター
  • by s
  • 2009-03-01 22:14
  • edit
ニコルは口元にかすかに残った血を掬い取り身繕いすると、崩れかけたエドリックに細い手を差し伸べた。
ニコル
  • by s
  • 2009-03-01 22:17
  • edit
Bless you, Sir. こんな行為に使う言葉ではありませんが。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-01 22:29
  • edit
神よりも君の祝福の方がありがたいね。君のナイトとしては
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-01 22:29
  • edit
立ち上がる為に差し延べられたニコルの手。エドリックは微笑んでそれを取ると、軽く唇を寄せた。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-01 23:17
  • edit
こんな状態になる前に、なぜ呼んでくれなかった? 君は慎ましやか過ぎるな。もっと貪欲になりたまえ、私の深窓の貴公子殿
ナレーター
  • by s
  • 2009-03-01 23:44
  • edit
少し右加減に首をかしげ くすりと微笑むニコル。
ニコル
  • by s
  • 2009-03-01 23:45
  • edit
貪欲になったら、貴方はすぐに飽きるくせにですか?
エドリック
  • by z
  • 2009-03-02 00:01
  • edit
これは心外だな。誰を見て物を言ってるんだ。飽きるなんて言葉は、好奇心旺盛な私の辞書にはない。私は常に美を見つける。君の瞳の中に、そして指先に。明日になれば、その声に。影法師の形にさえも…。それが愛というものだ。
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-02 00:02
  • edit
エドリックは立ち上がるとニコルを詰るように見つめた。けれど気障で尊大な彼の、青氷のような瞳に宿る光は、どこか暖かい。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-02 00:03
  • edit
やせ我慢は不要だ、ニコル
ニコル
  • by s
  • 2009-03-02 00:17
  • edit
でも、ここではちょっと...もうすぐGDが目覚めます。
アレク
  • by s
  • 2009-03-02 01:41
  • edit
ん、ん....
ナレーター
  • by s
  • 2009-03-02 01:49
  • edit
陽は既に落ちているが、まだ外は人のざわつきが聞こえ、それが余計に先程の余韻を軀の内側に燻らせているのがお互い手に取る様に分かる。
ニコル
  • by s
  • 2009-03-02 01:49
  • edit
ほら...
ナレーター
  • by s
  • 2009-03-02 01:53
  • edit
焦る気持ちが昂れば昂る程 キスで絡める舌が熱くなる。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-02 11:21
  • edit
…どこかに良い場所は? 情けない話だが、私はもう待てそうにない…
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-02 11:21
  • edit
エドリックの両手がニコルの華奢な背を這う。細身だが、鍛えた身体を持つエドリックの呼吸は静かで深い。その彼が呼吸を乱し身体を熱くさせるニコルの魅力。哀しみが透けて見えるような透明な瞳。それでも凛と立つ強い何か。エドリックにはそれが愛しくて堪らない。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-02 11:22
  • edit
私の部屋は駄目だ。30分後に人が来る。無論、それはすっぽかす。…だから、私をどこかに連れて行け
ナレーター
  • by s
  • 2009-03-02 13:03
  • edit
小さな声で では、こちらへ...と静かにドアを開き人気のあるホールとは逆方向の階段へとエドリックを誘導していく。光耀寮から地下へと繋がる薄暗いこの道を知っているのは恐らくごく限られた一部の者のみ。そこから更に奥深く二人は入って行った。
ニコル
  • by s
  • 2009-03-02 13:09
  • edit
足元に気をつけて下さい。エドリック
ナレーター
  • by t
  • 2009-03-02 15:58
  • edit
最初は頑丈な鉄の扉だった。もう封鎖されて久しい時代がかった扉。なのにニコルの細い指先が触れるとどんな仕掛けがあるのか、重い音を立てて動いた。覗いた隙間がまるで地の底のように暗い。建物の床から石段を数段下って降りていく。冷たくしっとりと湿り気を帯びた重い空気。目が暗闇に慣れてくると、エドリックは小さく淡く光る苔のラインに気が付いた。それは森の奥にある地下道と同じものだったが、ただ違うのは近くで響く水音だった。
エドリック
  • by
  • 2009-03-02 15:59
  • edit
寮の地下にこんなところが…
ニコル
  • by s
  • 2009-03-02 15:59
  • edit
頭に気をつけて
ナレーター
  • by t
  • 2009-03-02 16:04
  • edit
足元は軽く濡れて湿り、天井は背の高い彼らの頭上を掠るほど低い。靴音が反響して響き、水音が重なる。エドリックは大きく息をついた。武者震いなのか、身体が微かに奮えるほど気分は高揚していた。美しい妻に手を引かれ黄泉を渡った神話の詩人の如く先をいくニコルの肌が燐光を放つように浮かび、その姿が何よりも愛しい。
いきなり、ふっと視界が開いた。狭く閉じられた地下道の天井がずっと高く遠くなる。そこに這った光る苔がまるで緑の星空のように辺りをほの暗く照らしていた。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-02 16:04
  • edit
……池か…?
ナレーター
  • by t
  • 2009-03-02 16:05
  • edit
視線を足元に落としたエドリックは感嘆の息を吐いた。地下水脈のほとり、透明な水を湛えて流れを緩やかに淀ませた小さな海のような景色。彼はしばらくうっとりとその景色を眺めた。幻のように美しい。ここは人の世界ではないのかもしれない。ほんの少しだけ重なったまま繋がれた彼らの指先。触れ合った肌のように重なった幻の世界。そこに一艘のゴンドラが静かな水面に揺れている。
ニコル
  • by s
  • 2009-03-02 20:39
  • edit
こちらへ、エドリック。
ナレーター
  • by s
  • 2009-03-02 20:41
  • edit
一方その頃、光耀寮の部屋では...
アレク
  • by s
  • 2009-03-02 20:49
  • edit
どこ行ったんだろ...ニコル。先にチョコ食べちゃうよ僕。全部なくなっても知らないんだから...
ナレーター
  • by s
  • 2009-03-02 21:05
  • edit
昼間フレイから届けられた紅茶を飲みながらチョコを一つ頬張る。しかし、部屋に残るかすかな血の匂いと小さな悦楽の痕跡。それがおそらく誰のものであるか彼には分かっている。そしていつもこんな夜は一人で枕を濡らすであろう事も...
エドリック
  • by
  • 2009-03-02 22:45
  • edit
…此処が私たちの閨か?
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-02 22:45
  • edit
エドリックは傍らに立ったニコルの肩を抱きしめて、その銀の髪にくちづけた。幻想的な光景だった。水底に白い石灰を湛えているのか、何処からか射し込む月光を反射して清水が青白く光っている。その水面に浮かぶゴンドラは水の都ヴェネツィアで見かける船そのものだった。見事な船首装飾と豪華な黒光りする船体。それが、湧水の流れによるものなのか二人を招くようにゆったりと揺れている。
エドリック
  • by
  • 2009-03-02 22:46
  • edit
あれが私たちの愛の水先案内だな
ニコル
  • by s
  • 2009-03-02 22:47
  • edit
エドリック?
エドリック
  • by z
  • 2009-03-02 22:56
  • edit
…ん? 私は、ここが気に入ったよ。素敵な場所だ、ニコル
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-02 22:56
  • edit
エドリックは感慨深げに一度目を瞑ると、鮮やかな笑顔をニコルに向けた。たおやかで美しい恋人と過ごすのにこれ以上の演出があろうか。水音が洞窟に反響して、まるで水琴窟のような妙なる調べを奏でている。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-02 22:57
  • edit
さてと…。次は私に任せろ
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-02 23:00
  • edit
周りを素早く見回して、エドリックは岩に捲かれていた舫い綱を手に取った。ほんの少し引くとゴンドラは流れるように水面に滑り出した。まるで飼い慣らされた黒い龍のように近づいてくる船体。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-02 23:01
  • edit
これでいいんだな、ニコル?
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-02 23:01
  • edit
黙ってエドリックの仕事ぶりを見つめていたニコルは、にこやかに頷いた。ゴンドラがこちらの岸に辿り着くと、エドリックは片足を上げて足で船体を受け止める。パンティングと呼ばれる小舟での川遊びは英国人の好みの一つだ。彼はそんなものにも慣れていた。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-02 23:01
  • edit
…どうぞ、わが君
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-02 23:02
  • edit
忠誠を誓う騎士のような素振りで胸の前でふわりと手を回し、最敬礼してニコルの前に跪く。
ニコル
  • by s
  • 2009-03-02 23:29
  • edit
では...
ナレーター
  • by s
  • 2009-03-02 23:33
  • edit
ニコルは促されるままに細い手をついと差し出した。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-02 23:50
  • edit
相変わらず奥床しいな。…君は、貪欲になるんじゃなかったのか?
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-02 23:51
  • edit
クスっと微笑むと、立ち上がりざまにニコルの身体を抱きあげた。そのまま長い脚を片方ゴンドラの中に突っ込んで、ニコルの身体をその中に下ろす。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-02 23:52
  • edit
…君は…軽いな
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-02 23:52
  • edit
ゴンドラの中に降ろされたニコルの華奢な身体を見下ろして、エドリックが哀しげに微笑んだ。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-02 23:53
  • edit
もっと求めろ。遠慮せずに
ニコル
  • by s
  • 2009-03-03 00:08
  • edit
いやです。
ナレーター
  • by s
  • 2009-03-03 00:12
  • edit
そう言いながら言葉とは裏腹にエドリックの薔薇の様に赤い唇を強く求める。
ニコル
  • by s
  • 2009-03-03 00:36
  • edit
貴方をこれ以上好きになる自分が怖い...どうか私のこの気持ちを止めて下さい。
ナレーター
  • by s
  • 2009-03-03 00:42
  • edit
お互いの昂りが布越しにも熱く伝わって来る。ゆらゆらと揺れる船体が皮肉にも程よい吃動を生み出し、更なる衝動を駆り立てていく。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-03 15:05
  • edit
…止めなくていい。…だけど…先に君に血をあげないと…
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-03 15:05
  • edit
思わず押さえつけていたニコルの細い手首を見つめて、エドリックは溜め息をついた。自分の身体をごろんと仰向かせて、腕の中で相手のほっそりした身体を抱きしめる。胸の奥から突き上げてくる愛おしいという感情。
ニコル
  • by s
  • 2009-03-03 15:06
  • edit
…いいえ。あなたの情熱のままに求めてくれても、私は満たされます
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-03 15:06
  • edit
ニコルは小さく首を振り、熱い息と共に囁かれた優しい言葉でそのままエドリックの唇を塞いだ。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-03 15:06
  • edit
そんな事…もっと早く言え
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-03 15:07
  • edit
奪われた唇を引き離してエドリックはニコルを軽く睨みつけた。額にかかった銀の髪を指で掬うと、その中を覗き込む。やがて真っ青な瞳が細められ、感嘆を込めた掠れ声が笑みを形作る唇から漏れた。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-03 15:08
  • edit
…綺麗だ、ニコル
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-03 15:08
  • edit
少しためらいがちに、しかし相手のエメラルドの瞳に拒絶の色が浮かばない事を確かめながら、エドリックはニコルの襟元を暴いていく。真珠の肌に桜貝を散らしたような突起に唇を寄せると、ニコルは甘やかな吐息を洩らして身を捩った。耳元を掠める息遣いが、エドリックの情熱に火をつける。同時に腕が乱暴にニコルの身体を攫っていた。熱い情愛を隠そうともせずにエドリックはニコルの唇を貪り、ニコルのベルトが小さな音を立てると、二人を乗せたゴンドラが大きく揺れた。
ニコル
  • by s
  • 2009-03-03 19:09
  • edit
...っ...は...ぁ
ナレーター
  • by s
  • 2009-03-03 19:40
  • edit
掴まれた自身の屹立は待ち切れないかの様に既に滴りを湛えエドリックの長い指を濡らす。その指がニコルの後ろの疼く部分に分け入り責め立てる度に小さな吐息が何度も口から漏れる。疼く、漏れる。責める。その繰り返しの営みがさざ波の様に引いては返す。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-03 20:21
  • edit
ああ、ニコル…
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-03 20:22
  • edit
エドリックの指と唇と舌の責め立てに、ニコルの細い指が愉悦に耐えかねてゴンドラの底に敷かれていた緋色の絹を掴んだ。傷一つない透明な肌。エドリックはそれに酔いしれていた。銀の髪の色と変わらないほどの真綿のようなたおやかな裸体が、深紅の花びらの中の花蕊のように震えている。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-03 20:22
  • edit
……素敵だ…ニコル
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-03 20:25
  • edit
エドリックは最後の扉を開け、己の雄蕊で悠々とそこに押し入った。熱い。それだけではない。吸いつくように更にエドリックを誘う。意識さえもがそこから抜け出して行ってしまいそうな感覚。その先にまだ見ぬ宇宙があるような眩瞑に襲われて、エドリックはニコルを見下ろした。目の前にあるのも宇宙だった。エメラルド色の永遠がニコルの瞳の中に広がる。
ニコル
  • by s
  • 2009-03-03 20:52
  • edit
エド....リ...
ナレーター
  • by s
  • 2009-03-03 21:09
  • edit
その時、ニコルの白い肢体の胸の部分から揚羽蝶(Swallowtail)の文様がふわりと浮かび上がりゆらゆらと羽ばたいた。それはまるで幻影の様に二人の目の前を飛び交い乱舞する。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-03 21:14
  • edit
…もう…君の世界から帰って来れなくてもいい…
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-03 21:14
  • edit
ニコルの存在そのものの中に身を投じるように、エドリックは己の欲望を叩きつけた。その律動がゴンドラをゆりかごのように揺らして、原始回帰のような不思議な錯覚に陥らせる。ヴァンパイアの命を育んだゆりかごの中で、エドリックは甘やかな夢を紡いだ。ニコルの長い生を一緒に旅するような緩やかで長い快感は、人間との行為では得られない悦楽だった。
ニコル
  • by s
  • 2009-03-03 21:29
  • edit
....
ナレーター
  • by s
  • 2009-03-03 21:41
  • edit
ニコル自身も初めての体験だった。単に人間の体液だけを体内に入れる行為は自分が生存する為に何度も行った。その後、相手の記憶はその意思と関係なく朝もやの夢の様に自然に消え失せ、受け入れた体液のみがエネルギーとなって彼らを生かす。しかし、そこに愛情という感情が伴うと悦楽への高みは未曾有のものとなるのだ。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-03 22:11
  • edit
…君は? …その…腹いっぱいになったのか?
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-03 22:11
  • edit
暫くして、片肘をついて身を起こしたエドリックがニコルの幸せに満ちた顔を見下ろして聞いた。ひとつ額にキスを置き、深紅の絹をその美しい身体にかけてやる。
ニコル
  • by s
  • 2009-03-03 22:23
  • edit
そのはずなんですが...
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-03 22:59
  • edit
少しズレた感覚のエドリックの表現に、ニコルは微笑み返した。彼らは精をその身体で喰らうのではない。正確にはエドリックのエクスタシーがニコルを昇華させ、満たしたのだ。エドリックは無論そんな事は知らない。自分の血と愛のこもった迸りが、儚げなニコルの身体を健やかに保たせる糧となると思い込んでいる。
エドリック
  • by z
  • 2009-03-03 22:59
  • edit
…そうか。私の愛を受け取ったのか…
ナレーター
  • by z
  • 2009-03-03 23:00
  • edit
満足そうに呟くと、エドリックは深い安堵の溜め息をついた。先程のG・Dの手当てでエナジーを失い、蒼白だったニコルの頬。けれど今は、薄紅色の花びらが透けるようにほんのりと色づいていた。その頬に何度も指を走らせては、湧き上がる情熱を抑えられないかのようにくちづけを落とす。
ニコル
  • by s
  • 2009-03-04 08:00
  • edit
でも...どうか、覚えていて...今日の事を。エドリック...
ナレーター
  • by s
  • 2009-03-04 08:01
  • edit
他の者達の様に記憶の底に沈めないで、とニコルはわずかな願いを目の前の相手に託す様にエドリックの胸元に縋り付いた。
ジーク
  • by s
  • 2009-03-04 08:02
  • edit
.....なにやら...どこかで派手に悦楽の蝶が羽ばたいた様子だ...な.....
あれはいつものGDとニコラウスの交流ではない。
全く...あれ程、人を好きになるなと言っておいたのに私の忠告を無視するとは...閨の味は極上だが同時に最も危険だと身を以て知る事になるものを。
それに耐えれる程、おまえはまだ強くないと言うのに....
ナレーター
  • by s
  • 2009-03-04 08:02
  • edit
地下道の奥深くで低く呟く声音は 下弦の月に吸い込まれる様に消えいった。

以下は、ドラマ執筆管理人の書き込み専用です。

他者様の書き込みがあった場合は、予告なく削除させて頂きます。

書込者
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