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不知夜月とJardin de ciel(空の庭)のコラボ頁です。

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† 闇に咲く悦楽の閨 第2章 2幕 †

本部棟から引き上げ広い中庭を横切る二人に朝の光が容赦なく照りつける。再び足元をよろめかした二人を見つけたのはエスコート部のフレイだった。

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Drama

ナレーター
  • by t
  • 2009-02-28 12:37
  • edit
学園の中庭は広い。季節に関わらず緑と水に溢れている。レンガや飛び石で彩られた小道を寮に向かう二人に朝の眩しい光が燦燦と降り注ぐ。
再び足元をよろけさせた二人を見つけたのは、授業をサボって早朝のデートから帰る途中のフレイだった。
フレイ
  • by t
  • 2009-02-28 12:38
  • edit
おや、おはよう二人とも。珍しいね、こんな朝早く…。ん…?
ナレーター
  • by t
  • 2009-02-28 12:39
  • edit
ニコルの白い顔がいつにも増して白い。フレイは彼に肩を貸しながら、憂いの浮かぶ顔を覗き込んだ。
フレイ
  • by t
  • 2009-02-28 12:40
  • edit
どうしたんだい、ニコル。また貧血かい? 
ナレーター
  • by s
  • 2009-02-28 12:48
  • edit
肩を貸してくれた部長に、ニコルはやや不安定な微笑みを返すのがやっとだ。
アレク
  • by s
  • 2009-02-28 12:51
  • edit
おはよフレイ。慣れない事はしちゃダメだね。こんな朝早くから行動したらこれだもん。今日は僕達もう部屋から出ないから教授にも言っておいて貰えない?
フレイ
  • by t
  • 2009-02-28 12:52
  • edit
さあ、私のを少しあげるよ。昨日、あんまり寝ていないけど我慢しておくれ。
ナレーター
  • by t
  • 2009-02-28 12:54
  • edit
フレイはアレクの説明に頷きながら、ニコルの細い指先を自身の首筋にそっと添えた。
アレク
  • by s
  • 2009-02-28 13:22
  • edit
貰いなよニコル。いつもごめんねフレイ。
フレイ
  • by t
  • 2009-02-28 13:29
  • edit
いいんだよ。どうせ私も帰って寝るところさ。
ナレーター
  • by t
  • 2009-02-28 13:30
  • edit
ふわり、とフレイの笑顔が綻び、彼はニコルの身体を支えながらゆっくりとその場に腰を降ろした。
ナレーター
  • by s
  • 2009-02-28 13:30
  • edit
戸惑いながらもニコルは指先を その豊かな金髪の中へ入れ首筋から貪った。
アレク
  • by s
  • 2009-02-28 13:40
  • edit
大丈夫フレイ?
ナレーター
  • by t
  • 2009-02-28 13:48
  • edit
彼らと同じように、一瞬陽の光を眩しがるようにフレイの薄茶の瞳が焦点を失って揺れる。けれど、すぐに彼らしい笑みが戻ってニコルの表情を伺った。ニコルの頬にささやかな血色が差したことに、フレイは安堵した息を吐いた。
フレイ
  • by t
  • 2009-02-28 13:51
  • edit
こんな顔色になる前に、いつでも私を探しておくれよ、ニコル。
で、どうしたんだい? こんな状態で朝早く出かけるなんて。
アレク
  • by s
  • 2009-02-28 13:54
  • edit
ありがとうフレイ。実はさ、景虎君に朝早く呼び出されたんだよ。
僕、彼にすごいパンチ喰らってまだ頭がクラクラしてるとこ。
ナレーター
  • by t
  • 2009-02-28 22:35
  • edit
片手でコンと自分の頭を軽く叩きながら アレクが言った。俯いたままのニコルの肩を軽く撫でたフレイが驚いてアレクを見上げた。
フレイ
  • by t
  • 2009-02-28 22:36
  • edit
景虎が?! 野蛮な奴だな! 君は大丈夫なのかい? アレク
アレク
  • by s
  • 2009-02-28 23:23
  • edit
うん。どうなんだろ...さっきからココがズキズキする。もしかしたら骨にヒビ位は入ってるかも。
ナレーター
  • by s
  • 2009-02-28 23:28
  • edit
そう言いながら鳩尾の辺りを擦るアレクを 今度はニコルが気遣う様にそっと手をのばす。
ニコル
  • by s
  • 2009-02-28 23:30
  • edit
今度から無茶はするな。わかった?GD
ナレーター
  • by s
  • 2009-02-28 23:32
  • edit
こくん、と小さく頷くアレクの表情はいつもより柔らかい。
フレイ
  • by t
  • 2009-02-28 23:35
  • edit
アレク、ちょっと見せてごらん。…一体、何だってそんな目に?! いくらあいつだって理由もなしにそんなことしない筈だよ。
アレク
  • by s
  • 2009-02-28 23:40
  • edit
ちょっと、ほんのちょっと...貰っただけだよ。
その...さっきのフレイみたいに。
ナレーター
  • by t
  • 2009-02-28 23:41
  • edit
フレイが慌ててアレクの方へ手を差し伸べた。エネルギーが必要なのはアレクも同じなのかもしれない。景虎は中国拳法の達人だ。自分の拳の威力を知っている人間ほど、人に対して滅多に使わないものだ。
フレイ
  • by t
  • 2009-02-28 23:43
  • edit
貰ったって…。……。
ナレーター
  • by t
  • 2009-02-28 23:45
  • edit
なるほど、というようにフレイがため息をついた。承諾を得ての協力ならこんな激怒の跡が身体に残るはずがない。ひとつボタンを外してアレクの胸元を覗き込んだフレイの目に、紫に腫れあがった痛々しい肌が映った。
フレイ
  • by t
  • 2009-02-28 23:50
  • edit
アレク…景虎は怒りっぽくて意地悪で執念深くてネグラで…しかも権力がある。相手にしちゃ駄目だ。
後で医務室からシップと痛み止めと固定用のバンドを届けさせるよ。
ナレーター
  • by t
  • 2009-02-28 23:52
  • edit
フレイは眉を顰め、少し考え込むように沈黙したが立ち上がると両手に二人を支えるようにして寮に向かって歩き始めた。
フレイ
  • by t
  • 2009-02-28 23:54
  • edit
ちょっと足場が悪いが街路樹の影を行こう。…まったく景虎め…やり過ぎた。
ニコル
  • by s
  • 2009-02-28 23:59
  • edit
私が彼の部屋で倒れたんです。GDは悪くない。まして彼も悪くない。
アレク
  • by s
  • 2009-03-01 00:02
  • edit
大丈夫だよフレイ。明日には殆ど治ってるはずだから。心配しないで。ね?
フレイ
  • by t
  • 2009-03-01 00:06
  • edit
まあ、やっちゃったことは仕方ないさ。でも、倒れる前に、私に言っておくれよ、ニコル。本当に。OK?
ニコル
  • by s
  • 2009-03-01 00:09
  • edit
はい。
ナレーター
  • by t
  • 2009-03-01 00:09
  • edit
明るい声でその場を和ませるようにフレイが微笑んだ。そよぐ風に揺れる葉から零れる日差しが3人の目を射る。足元の危ういニコルを気遣いながらフレイはゆっくりと歩いた。
フレイ
  • by t
  • 2009-03-01 00:17
  • edit
それにしても…今まで景虎が君達を呼び出したことなんて聞いたことがないな。…我が部がお気に召さないようだがね。
ナレーター
  • by t
  • 2009-03-01 00:21
  • edit
そう呟いてフレイが首をかしげた。
ようやく光躍寮が見え始めた。大部分は蔦の絡まるレンガ作りで中世の要塞のような概観と、ガラス張りのテラスやホールを備えた不思議な調和を見せる建物だ。
アレク
  • by s
  • 2009-03-01 00:29
  • edit
ジークが、その僕の相棒が...起きたんだ眠りから。前にフレイに話したっけ?ジークの事。かなり景虎君とは相性が悪いみたい
フレイ
  • by t
  • 2009-03-01 00:48
  • edit
あ~。なるほどね、ここ2,3日噂になっている…夜に現れる美形の…? 彼がジークなんだ。
まあ、景虎と相性のいい奴なんてそうはいないさ。
でも…これ以上、面倒になりそうなのかい?
ナレーター
  • by s
  • 2009-03-01 04:17
  • edit
やはり噂になってたのか、とでも言う様に二人は顔を見合わせ優美な曲線を描く階段の踊り場で足を止めた。そしてゆっくりフレイの方に目線を移し少し溜め息まじりに今度はニコルが独り言の様に呟いた。
ニコル
  • by s
  • 2009-03-01 04:29
  • edit
面倒になるんじゃない....面倒を引き起こすのが彼の趣味なんだ.....
フレイ
  • by t
  • 2009-03-01 10:07
  • edit
それは…穏やかじゃないね。
あんまりこの楽園を乱して欲しくはないね。
ナレーター
  • by t
  • 2009-03-01 10:14
  • edit
エスコート部の部長として二人とうまく接し、学園で青春を謳歌しているフレイの言いそうなことだ。シックな色合いの絨毯を敷き詰められた螺旋階段をゆっくりと昇って、フレイは部屋の前まで二人を送った。
フレイ
  • by t
  • 2009-03-01 10:14
  • edit
じゃあね、ジークに宜しく。
ナレーター
  • by t
  • 2009-03-01 10:20
  • edit
部屋へ戻った二人はベッドに倒れこんでようやく一息つくことが出来た。やがて約束どおり、医務室からの使いが届いた。それとはまた別に、薫り高い紅茶の葉と高級なチョコレートがアレクとニコルにもたらされた。二人の好物を知るフレイからの心遣いだった。
アレク
  • by s
  • 2009-03-01 10:29
  • edit
わぁ、チョコだ!美味しそう...ねぁ、ニコルお茶にしない?
ニコル
  • by s
  • 2009-03-01 10:30
  • edit
GD、その前に手当が先。こっちへおいで。
ナレーター
  • by s
  • 2009-03-01 11:08
  • edit
促されるままにアレクがソファーに腰掛けると、手際良くニコルが彼の上着のボタンを外す。紫に腫上がった薄い胸板を露にし自身の唇をその箇所に重ね起用に舌を使って優しく愛撫する。アレクの口から小さな吐息が2、3度はぁ...と漏れた瞬間、ちょうど彼の胸の中心にうっすら揚羽蝶(Swallowtail)の文様が浮かび上がった。すると全身を電流が走る様に小さな身体が小刻みに震え 息絶えた様にがくん、と項垂れた。

それを見届けたニコルは医務室から届いた湿布と固定用バンドを装着し、痛み止めの薬を薄く開いた口に押し込み口移しで飲ませシャツの前を合わせる。
ニコル
  • by s
  • 2009-03-01 11:10
  • edit
ほんと、無鉄砲な奴...
ナレーター
  • by s
  • 2009-03-01 11:24
  • edit
吐息をたてながら眠ってしまった小さな相棒の柔らかい髪を優しく撫でる表情は複雑だった。この小さい軀であの鉄壁の様な強靭な男にしでかした行為は一歩間違えれば命取りとも取れる。この光景を何度目にしたことだろうと、ニコルはアレクをじっと見つめる。まだ窓から差し込む光は天頂に達していなかった。
ニコル
  • by s
  • 2009-03-01 11:26
  • edit
私も少し...
ナレーター
  • by s
  • 2009-03-01 11:28
  • edit
休もうとアレクをベットに移し、自分はソファーに身を沈めた。

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