性懲りもなく再び集まった面々。少し意地悪な景虎にジョフロアは…
【第一幕】
性懲りもなく、そして何の前触れさえもなく、いつもの面々がジョフロアのお茶会に集まっていた。
ジーク:
「ジョフロアの煎れた茶は旨そうに飲むんだな。」10/05 23:40
景虎:
「…ルーパスの入れた茶は確かに旨い。それは事実だ」10/05 23:49
ジーク:
「ごちそうさま。」10/05 23:59
景虎:
「何がだ」10/06 00:12
ジーク:
「......(無意識か。重傷だな)」10/06 00:53
曇り眼鏡君:
「でも、アレクには人前でも優しくしてましたね。それにとても鈍感だし…」10/06 21:19
ナレータ-:
「ちらりと横目でジークが曇り眼鏡を見る。」10/06 23:23
ジーク:
「は~ん。」10/06 23:23
景虎:
「何だ?…GDに? そんなことあったか?」10/06 23:37
曇り眼鏡君:
「無意識で鈍感。そのうえ物忘れも酷い。…誰かが苦労する筈です(ボソッ)」10/06 23:43
ナレータ-:
「アレクがそっと中を覗いた。するとジークがアレクを手招きする。」10/07 01:27
ジーク:
「こっちへおいで、GD。ご覧、面白いから。」10/07 01:28
ナレータ-:
「横に座ったアレクにそっと耳打ちする。」10/07 01:28
景虎:
「何が面白いんだ? 俺は愚痴っぽい秀才よりは犬や狼の方がいい」10/07 01:30
ナレータ-:
「耳ざとくジークの声を聞きつけた景虎が眉を寄せる。」10/07 01:31
景虎:
「GD、俺はお前に優しいか?」10/07 01:40
ジーク:
「意外と地獄耳だな」10/07 01:47
ナレータ-:
「くすっと薄い唇を震わせて嗤い、アレクに質問に答える様促す。」10/07 01:49
アレク:
「あ~、えっっとぉ....うんっ!そうかな?!」10/07 01:51
景虎:
「…そうか…」10/07 01:55
ナレータ-:
「どこか他人事のように納得する景虎。」10/07 01:56
アレク:
「(こ、これで良かったのかな?僕、わかんにゃ~い)」10/07 01:56
ジーク:
「私にもGD位、優しく扱って欲しいものだな。ねぇ、ジョフロア。」10/07 01:59
曇り眼鏡君:
「えっ? それを僕に振るんですか?」10/07 02:08
ナレータ-:
「片や、自分に寡黙で躾の良い愛玩動物になる事を押しつける男。もう片方は、自分を抱きたいと言った過去を持つ男。その二人の間の優しい関係など、ジョフロアには想像もつかなかった。ジョフロアの理屈で凝り固まった頭脳が、混乱し、理解不能状態となってショートする。その熱で伊達眼鏡が余計に曇った。」10/07 02:08
曇り眼鏡君:
「僕でさえ、優しく扱って貰ってるのかどうか…」10/07 02:29
ナレータ-:
「その一方で、自分で発した言葉が核となってその懸念がじわじわと広がって行く。一人後ろを向いて、難しい顔をしたジョフロアのこめかみには、♯マークが鮮やかに浮き上がっていた。」10/07 02:51
効果音:
「トントン(ジョフロアの肩を叩く)」10/07 03:57
アレク:
「はい。水。それと眉間に皺。」10/07 03:57
ジーク:
「美容によくないな、皺一本、命取りだ」10/07 04:02
ナレータ-:
「一応、気遣っているつもりの2人。」10/07 04:03
ニコル:
「お願いですから、波風立てないで下さいませんか。ジョフロアが困ってますよ。」10/07 04:44
景虎:
「ストレスの溜まる性格なんだろう」10/07 07:15
曇り眼鏡君:
「(た、溜めさせるのは一体誰です。この脳天気な年齢詐称爺らめっ。)僕は苦労人なんです。ほっといて下さい。そしてニコル、どうもありがとう」10/07 08:28
景虎:
「了解だ。では茶をもう一杯貰おうか」10/07 08:47
ナレータ-:
「しれっと景虎が答えた。」10/07 08:48
曇り眼鏡君:
「(それでも、人を使うことだけは忘れないって…)ワナワナ」10/07 08:59
景虎:
「どうした? 苦労人。眉間のシワが増えているぞ」10/07 09:03
ナレータ-:
「アレクからのミネラル・ウォーターは、軽く会釈して受け取った。そして、ジョフロアは熱くなった額を冷やすようにそれを押し付けていた。そこにかかった景虎の言葉。蓋を開けようとして、思わず力が入り過ぎたのか、ボトルの首を軽く引き千切る。」10/07 09:04
効果音:
「ベキッ」10/07 09:07
景虎:
「随分、ワイルドな開け方だな」10/07 10:53
ナレータ-:
「黙っていればいいのに、ふと景虎が感想を漏らす。」10/07 10:54
グラサンおにーさん:
「なるほど、そうですね…」10/07 11:43
景虎:
「ほお、古狸の言うとおり面白いな。今日の茶会はかくし芸つきか?」10/07 12:33
グラサンおにーさん:
「僕の怖さを見たいのですか? でも、やめときましょう。あなたが萎えると困るから」10/07 13:14
ナレータ-:
「これ見よがしにジョフロアが手を揉むと、指がバキバキッと音を立てた。それでも心根の優しさからか、サイフォンのランプに火を点け、手際良くコーヒーを淹れる。」10/07 13:57
景虎:
「ひけらかしたいのなら好きにすればいい」10/07 16:49
グラサンおにーさん:
「かくし芸披露茶会のように言ったのはどっちですか…」10/07 22:40
ナレータ-:
「ジョフロアはサイフォンで淹れたコーヒーに、カプチーノマシンで泡立てたミルクを加えた。景虎の好みはシンプルなブラックだった。白い泡でハート型を描き、シナモンの枝で、真ん中にギザギザの線を描き込む。」10/07 22:41
グラサンおにーさん:
「どうぞ」10/07 22:41
景虎:
「ほう? 器用だな」10/07 23:05
ナレータ-:
「景虎は気にする様子もない」10/07 23:06
アレク:
「わ~すごいすごい!(ギザギザハートカプチーノのコップを覗き込む)僕のもハート一杯作って!ジョフロア。ホットチョコレートで!」10/07 23:33
ナレータ-:
「年齢詐欺爺ぃと言われた事など知らないで、景虎のコーヒーを羨ましそうに見て、グラサンおにーさんにおねだりをする。グラサンの奥が煮えたぎっていることには勿論気付かない。」10/07 23:38
景虎:
「チョコレートとココアと。他に好きなものはあるのか?」10/07 23:52
ナレータ-:
「自分のカップを覗き込んだアレクに景虎が苦笑しながら問うた。」10/07 23:53
アレク:
「(驚いた表情で景虎を見つめ)あっ、えっと...甘いっっちっっ...やっぱ言うのやめとく。」10/08 00:03
グラサンおにーさん:
「リクエストは素直にしたほうがいいですよ、アレク。では、アレクにはイニシャル入りを…」10/08 00:06
ナレータ-:
「ジョフロアはホットチョコレートにミルクの泡を浮かべて、ハートの中にアルファベットのAを書いた。それをアレクの前にわざとらしくゴトンと音を立てて置きながら、景虎の妙に優しげな顔をサングラスの奥からギラリとした目で盗み見る。」10/08 00:07
ニコル:
「(ゾクッ)」10/08 00:10
ジーク:
「ほう、今日のホットチョコレートは火花入りかな?私はターキッシュコーヒーの砂糖を少々で結構。ニコル、彼を手伝って差し上げて。」10/08 00:11
アレク:
「わ~い。僕のAってのが入ってる~。ありがとうジョフロア。景虎君へのリクエストは又今度にしとく。」10/08 00:13
ナレータ-:
「噛み合っているのかいないのか、分からない会話が繰り返される中、ニコルが背中に悪寒を感じながらジョフロアの方へと歩む。」10/08 00:15
ニコル:
「すみません、ジョフロア。お手伝いしましょう。」10/08 00:16
ナレータ-:
「グラサンおにーさんの側でニコルがそっと囁く。ハフハフ言いながら、嬉しそうに出されたカップに口をつけるアレクの方をちらりと見ながら。額にはじわりと汗が滲んでいた。」10/08 00:22
曇り眼鏡君:
「あ、ありがとう、ニコル…。えっトルコ…がどうしたって?」10/08 00:24
ナレータ-:
「わなわなと肩を震わせながら窓の外を睨んでいたジョフロアが、初めてニコルに気が付いた。」10/08 00:24
ニコル:
「あっ、あの...イブリックなんか、ここにはないですよね?なければ、そのブラックコーヒーで構いませんから。私が煎れましょうか?」10/08 00:27
曇り眼鏡君:
「あるのはミルクパン鍋くらいです。ジークの好みもあるでしょうから、お願いできますか?」10/08 00:28
景虎:
「お前の仲間は素直で結構なことだな」10/08 00:31
ナレータ-:
「二人の会話の向こうで肘置きに片肘を立てて、景虎がジークを振り返った。特に嫌味な口調でもない。先ほどからジークの言葉に素直に従うアレクやニコルのことを言っているらしい」10/08 00:31
曇り眼鏡君:
「(酷いな…僕への当てつけか)」10/08 00:32
ナレータ-:
「ジョフロアの耳がダンボになって後ろの景虎の声に敏感に反応する。」10/08 00:32
ジーク:
「躾が行き届いてると言って欲しいな」10/08 00:35
ニコル:
「あ、ああ、では、このミルクパンで結構です。私がしましょう。」10/08 00:36
景虎:
「そのようだな。…まあ、2人の性格にもよるんだろうが」10/08 00:38
ナレータ-:
「ニコルがジョフロアから受け取った細か目の粉と水と砂糖を鍋に入れ、コンロの火にかける。が、小刻みに手が震えてうまく火がつけられない。額からの冷や汗は大粒になっている。」10/08 00:39
ジョフロア.:
「ニコル。どうしたんです? 気分でも?」10/08 00:41
アレク:
「美味し~い!!」10/08 00:42
ジョフロア.:
「アレク。気に入ってくれて良かった。…ねえ、ニコル。エディを呼んできましょうか?」10/08 00:44
ナレータ-:
「今まで、自分の事でいっぱいいっぱいだったジョフロアが、やっとニコルの異変に気が付いた。」10/08 00:44
ニコル:
「(落ち着け、落ち着け)」10/08 00:45
ナレータ-:
「カチカチと何度かコンロの取っ手を捻ると、やっと火がついた。ニコルは深呼吸をしながら火を小さめに調整し、くるりとジョフロアの方に向き直すと、にこりと微笑んだ。」10/08 00:55
景虎:
「お前の毒気に当たったんじゃないのか? 苦労人」10/08 00:59
ナレータ-:
「お前こそ鈍感だと言いたげな景虎の口調。何気なく悪意は見られないだけに、かえって悪意的だ。」10/08 01:00
ジョフロア.:
「エディ! ニコルが! エディ!」10/08 01:01
ナレータ-:
「ジョフロアの声に隣の生徒会長室の扉が大きな音を立てて開いて、エドリックが飛び込んできた。全く有無を言わさずニコルを姫様だっこすると、さっさと今来た方向へ踵を返す。」10/08 01:02
エドリック:
「ジョフ。そのコーヒーは粉と一緒にカップに入れて出しとけ。豆は自然に底に沈むから」10/08 01:02
ナレータ-:
「あっという間の出来事だった。エドリックが一瞬のうちにニコルを連れ去って姿を消す。」10/08 01:02
ジョフロア.:
「これでもうニコルは大丈夫ですよ、暉堂。毒気なんて直ぐに消えます。」10/08 01:03
ナレータ-:
「ジョフロアはエドリックに言われた通りにカップにコーヒーを注ぐと、ジークの前にそっと置いた。」10/08 01:04
ジーク:
「なんだか、いつものターキッシュと様子が違う様だが....」10/08 01:08
景虎:
「優秀な助手が連れ去られたようだからな」10/08 01:10
ジョフロア.:
「粉を沈めて飲むのが現地風。上澄みだけをカップに注ぐのが、まあ普通ですけどね…。」10/08 01:12
ナレータ-:
「一応、差し出されたカップに口をつけるジーク。だが、そっとそのカップをテーブルに戻した。」10/08 01:12
ジーク:
「かくし芸付きのお茶会では、少々の我慢は仕方ないな。」10/08 01:14
ナレータ-:
「そう言いつつも、それ以上は手をつけようとしない」10/08 01:15
ジョフロア.:
「そうか。貴方は現地や昔風より現代化された習慣を好むのですね。失礼しました」10/08 01:16
景虎:
「少々…の我慢は主催者の機嫌によるらしいぞ」10/08 01:18
ナレータ-:
「景虎はジークの方へ少し身を乗り出して苦笑する。そういう彼もカプチーノには手をつけておらず、どんどんと冷えていくばかりだ。」10/08 01:19
ジーク:
「ふ~ん、この場合の瑕疵は君にはないってことかな?」10/08 01:24
景虎:
「そういうことだな」10/08 01:27
曇り眼鏡君:
「(ふ~ん、ないんだ。全部僕のせいなんだ…。)結局アレクだけでしたね。気に入ってくれたのは…」10/08 01:31
ナレータ-:
「ジョフロアは二人の前からコーヒーを下げると、さっさと洗い物を始めた。」10/08 01:31
景虎:
「よかったな、GD」10/08 01:33
ナレータ-:
「カップを両手で挟んでいつまでもココアを楽しんでいるアレクに、景虎は思わずそう言った。」10/08 01:34
アレク:
「うん!」10/08 01:36
ナレータ-:
「廻りの不調和音には全く気付かずハートトッピングのホットチョコレートを最後までぐびっと飲み干すアレク。それを横目でちらりと見ながら、肩肘を付いてアレクとジョフロアの背中を交互に見渡している景虎を見ると、にやりとジークが小さく口の端で嗤った。」10/08 01:43
ジーク:
「GD、口の端っこに泡がついてる」10/08 01:45
ナレータ-:
「そっとアレクの口に細い人差し指が伸び、流れる仕草で付いていた泡を掬い自身の口に指ごと入れる。」10/08 01:48
ジーク:
「甘い」10/08 01:49
ナレータ-:
「そんな穏やかな3人と、キリキリした1人の光景が続いていた。」10/08 01:50
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